大分市・霊山寺「墓代わり、遺灰を土に」
墓をつくらず、遺灰を土に返す「自然葬」を行うモニュメントが、大分市岡川の山中にある霊山寺の一角に完成した。
少子高齢化や核家族化を背景に、近年は先祖代々の墓の維持管理が困難になり、墓じまいする人が増えているという。
霊山寺は新たな葬送へのニーズが高まっていることから製作した。
緑に囲まれた環境にあるモニュメントは、鏡状のパネルに覆われた円柱(直径約5メートル、高さ1.5メートル)の上に、十一面観音菩薩が据えられている。
円柱内には特殊な土が入っており、粉末状にした遺骨を埋めると、数年ほどで吸収され、霊山寺の土に返るという。
竣工式が9日、関係者約30名が集まって開かれた。
稙田恵秀住職(89)は「親しみやすく気持ちが落ち着く公園のような空間にモニュメントはある。
人は自然の中から生まれて自然の中に返る、輪廻の考え方が伝わったらうれしい」
と話した。宗派を問わずに申し込めて、1人につき35万円で永代供養するという。
(井中恵仁)西日本新聞社9月25日
自然葬(永代供養)とは?